Big Dipper

人生は長い航海のようなもの。穏やかに・幸せに過ごすためのtipsを綴る。

プラダを着た悪魔とブラック企業

 私の好きな映画。あまりにも気に入ったため、自分でDVDも購入して何度も観ている。簡単にあらすじを紹介すると、主人公のAndyが、仕事の鬼である上司Mirandaから理不尽な要求をされてもくじけずに乗り越えていく話。はじめは泣き言を言っていたAndyだが、周囲のアドバイスも取り入れ、徐々にMirandaの期待を超えていく……。

 私が会社に入って間もない頃、仕事がうまくいかずに落ち込むことが多かった。そんな時、よくこの映画を観ていたのを思い出す。今思い返すと、映画を観ている暇があれば仕事のことを考えなさいという感じではあるが。

 一度、心をバキバキにへし折られてから、そこからどれだけ頑張れるかということは、結構大事だと思う。この映画に出てくるAndyも、はじめは“自分は優秀だ”という自負をMirandaに大きく崩される。また一方で、Mirandaもプライベートでは離婚という大きな落ち込みを抱える。映画ではこの後については書かれていないが、Mirandaはそのことをバネに仕事に更に打ち込んでいくのであろう。私は、よく自分の心を“柳の木のようにしなやか”と言っている。今までしばしば落ち込んできた。ひどい時は2年ほどずっと鬱々と過ごしていたこともある。しかし致命的なほどに、途中でポキっと折れることはなかった。風に吹かれる柳の木の枝のように、一時期下を向いたとしても折れずに立ち直る。これは大切なことだと最近強く思う。

 しかし、どれだけ頑張るかにも限度がある。最近よく聞くブラック企業でも、自らの命を絶つほどまでに頑張る必要はない。ここまでひどい状態だと、自分でも何が正しいか分からなくなっている状態だとは思う。そうなる前に自らを守らなければ。この映画に出てくるMirandaのアシスタントという仕事もなかなかブラックな環境である。Andyの先輩であるEmilyは、この業界に夢を持っている。こんな環境で倒れそうになりながらも、Emilyは自分の仕事に誇りを持って続けている。しかし、Andyは最後にはプライベートが押しつぶされそうになり、仕事を突然やめるという選択をとる。自分らしさが何か分からなくなるのであれば、一度立ち止まってもよいのだ。その境界は人によって異なり、一律では表せない。ただ自分にふさわしい道は、今歩いている1本だけではないということを覚えておきたい。