Big Dipper

人生は長い航海のようなもの。穏やかに・幸せに過ごすためのtipsを綴る。

就職活動の想い出(両親の温もり)

 今年はもうすでに就職活動を終わらせている学生が多いとのこと。この時期になると思い出す、自分の就職活動のことについて書こうと思う。

 今振り返ってみると、私の就職活動はひどいものだった。はじめの頃は企業研究もろくにせず、世の中によく知れ渡っている大企業を中心に考えていた。自分が何をしたいのか、どう貢献できるのかなど良く考えもせず、「なんとなくここが良さそうだなぁ」という安易な考えでエントリーシートを送っていた。案の定、そのような薄っぺらい学生に内定が出されるはずもない。エントリーシートは通過しても、面接で落とされる日々が続いた。

 そのような日が1ヵ月ほど続き、周囲に内定を持つ学生が増えると、さすがに私も落ち込むことが多くなった。当時は就職氷河期だったこともあり、「このままずっと内定が得られないのではないか」という思いから、「やっぱり私はダメなんだ」「これから先、人並みの生活をしていけるだろうか」と、不安は広がるばかり。街を歩いていても自然と俯きがちになっていた。

 当時は大学近くに一人暮らしをしていたので、両親と連絡するのは多くても週に一度。しかしいつまで経っても就職先内定の連絡がないのを心配したのだと思う。ある日、母から宅配便が届いた。箱を開けると、私が大好きなお菓子。それから健康を気遣う短い手紙。あえて就職活動のことに触れず、子を信じてくれている母の優しさに涙がこぼれた。昨今は、親が就職活動に参加することもあるということだが……。

 その後しばらくして良い縁に恵まれ、今に至る。必要以上に干渉しないという両親の温かさは忘れることはない。