Big Dipper

人生は長い航海のようなもの。穏やかに・幸せに過ごすためのtipsを綴る。

Be Strong

 数年前、心がとても落ち込んだ状態で一人旅行に出たことがあった。旅行先は幸福の国ブータン。ブータンを選んだ理由は、ひとり旅初心者でも安全に楽しめるからであった。もちろん旅先を決定した当時は、落ち込んだ状態で出発するとは思っていない。しかしブータンでの出会いは、後に私の考えを大きく変えるきっかけの一つとなった。

 ブータンを旅行するためには、一日の滞在に対して決められた料金を払わなければならない。これは国によって決められており、その収入はブータンの教育費等に充てられるらしい。その代わり、その金額の中にはガイド・宿・食事などが含まれている(つまり、旅行者はお土産を購入する時くらいしか、ブータンで財布を開く機会がない)。旅行者は通常、事前に旅行会社を通じてビザ・航空券を手配し、旅行の行程を決める。ブータンに到着すると、決められたガイドとドライバーが空港に迎えに来ており、旅の間中はその二人にお世話になる。

 私がブータン滞在中に担当してくれたガイドは、偶然同い年であった。彼は非常に献身的で、私がやりたいことが何かをくみ取って様々なところを紹介してくれた(仕事と言えば仕事かもしれないが……)。ブータンでの普通の生活が見てみたいという私の希望を聞いて、彼の妹夫婦や友人夫婦の家にお邪魔したり、親戚が先生をしている大学の見学の連れて行ってくれたりもした。

 そんな彼は、私がひどく落ち込んでいる様子を見て、「状況を受け入れること。それから家族や自分の周りにいる身近な人たちはお互い影響しあっているので、必要以上にネガティブになってはいけない。Be Strong」と言った。彼のアドバイスは適切で、「Be Strong」というその言葉は、後に私が帰国してからも私の中の心の支えになった。これはブータン流なのか彼独自の考えかは分からない。しかし、日本に比べ決して豊かな生活とは言えないブータンの幸福度が高いのは、この“受け入れる”姿勢にあるのかもしれないと感じた。

考え方の訓練と幸せのかけら

 私たちは人間だから、寂しい時、悲しい時や心が沈んでしまう時がある。しかし、同じ言葉・同じ状況にあったとしても、人によっては傷つき、人によっては何とも思わない。むしろチャンスと捉える人もいるかもしれない。どうしてだろうか?またたとえ、とても心が沈んでしまったとしても、その状況から脱し早く立ち直るために大切なものは何だろうか?

 私は今までネガティブな人間だった。他人の言動・外乱などに必要以上に落ち込み、自分の殻に引きこもっていた。そしてしばらくの間は、そのことばかりが頭の中をぐるぐると回り、まるで蟻地獄の中に引き込まれるように、私の気持ちはどんどんどんどんと沈んでいった。

 しかしある時から、私は幸せに過ごしたいと思うようになった。できるだけ長い間、心穏やかに過ごしたい。自分に与えられている限られた時間を、周りの影響によって簡単に傷つけられ悲しく過ごすのはもったいない。たとえとても悲しい時があったとしても、できるだけ早く立ち直れるようにしたい。そう考えるようになった。

 心の持ちよう。考え方の訓練をすれば、自分の中に強い心を育てることができる。他人や過ぎてしまったことは変えられない。変えられるのは自分、そしてこれから。自分の気持ちがHappyになれることを思い出せば、多少傷ついたとしても、比較的すぐに気持ちを切り替え立ち直ることができる。

 そのような心が晴れない時のために、日ごろ私が好きなもの・勇気づけられるもの・エピソードなどをここに書き溜めていこうと思う。いつでもここに戻ってこられるように。また、さらにもっと楽しく幸せになれるように、クスリと少し笑える話や、もっとこうできたらいいな・こういうものがあればいいなと思うことも綴っていこうと思う。